出会い

2/2
前へ
/50ページ
次へ
私の名前は倉瀬紗菜[クラセサナ] 普通の高校3年生。 今日は金曜だから、もちろん 私が向かう先は教室なわけで。 「紗菜、おはよう」今、本を片手に 話しかけてきた女の子は 河崎優[カワサキユウ] 頭がよくて、可愛らしい、 幼い頃からの親友。 紗菜「おはよう」 今日も、長い1日が始まる。 このときはそう思っていた。 そのとき、ガヤガヤした教室に 聞き慣れた大きな声が響いた。 「みんな、聞いてー!!今日、クラスに転校生が来るらしいよ♪」 この声の主は、野宮加奈[ノミヤカナ] キレイな顔立ちで 男の子からモテる、 同じく昔からの親友。 「それ、マジかよ!女の子か?」 クラスの男子が加奈に聞く。 加奈「残念ながら男の子♪」 「ちぇ~、男かよ。つまんねー」 と男子たちは話の輪に 戻っていった。 女子たちはというと 正反対に盛り上がっている。 優「こんな時期に転校生が 来るなんて珍しいね」 「確かに!でも、そんなこと よりもさ、イケメンかなぁ」 いつの間にか隣には加奈がいた。 紗菜「加奈は好きだね~」 加奈「まぁね。ってか、一番に 目がいくのは正直、顔じゃない?」 優「うん。初対面だとそうだよね」 加奈「ほら、優もじゃんか。 やっぱ、紗菜は変わってるんだよ」 紗菜「そうかな?」「「うん」」 紗菜「いや、二人して 口そろえなくても。苦笑」 優「でもさ、紗菜は、どうして 彼氏作らないの?」 加奈「そうだよね。紗菜、可愛いのにさ、はぁ…もったいない」 紗菜「二人とも大げさだよ💦」 と返していると、 「ホームルーム始めるぞー。」 先生がやってきた。 みんなが席につくと、 「おはよう。えー、今日は、転校生を 紹介する。入ってきなさい」 先生に促され、ドアが開く。 彼が入ってきた瞬間、 「カッコいい~」と 女子たちが口々にもらす。 転校生は、黒髪で、顔立ちが はっきりした男の子だった。 これは、加奈が言うイケメンの 部類なのかも。女の私よりも キレイな顔をしている。 教室が騒然とするなか、 黒板に名前を書いた先生は、 「静かに!桐谷、自己紹介を頼む。」 と転校生に言った。 「..はい。大阪から来ました、 桐谷瞬[キリヤシュン]です。よろしく」 「仲良くしてやってな」という 先生の言葉に、「「「はーい」」」と 返す女子たち…。ハモってる(笑) 「じゃあ、席は…倉瀬のとなりな」 「えっ?」と聞き返すと、 「いろいろ教えてやってくれ。 校内の案内も頼むな」と先生。 「..はい」と言うと、たくさんの 熱い視線を受けながら桐谷くんが 隣に来て、「よろしくな」と一言。 「..よろしく」と返したところで、 ホームルームの終わりを告げる チャイムが鳴った。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加