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私の名前は倉瀬紗菜[クラセサナ]
普通の高校3年生。
今日は金曜だから、もちろん
私が向かう先は教室なわけで。
「紗菜、おはよう」今、本を片手に
話しかけてきた女の子は
河崎優[カワサキユウ]
頭がよくて、可愛らしい、
幼い頃からの親友。
紗菜「おはよう」
今日も、長い1日が始まる。
このときはそう思っていた。
そのとき、ガヤガヤした教室に
聞き慣れた大きな声が響いた。
「みんな、聞いてー!!今日、クラスに転校生が来るらしいよ♪」
この声の主は、野宮加奈[ノミヤカナ]
キレイな顔立ちで
男の子からモテる、
同じく昔からの親友。
「それ、マジかよ!女の子か?」
クラスの男子が加奈に聞く。
加奈「残念ながら男の子♪」
「ちぇ~、男かよ。つまんねー」
と男子たちは話の輪に
戻っていった。
女子たちはというと
正反対に盛り上がっている。
優「こんな時期に転校生が
来るなんて珍しいね」
「確かに!でも、そんなこと
よりもさ、イケメンかなぁ」
いつの間にか隣には加奈がいた。
紗菜「加奈は好きだね~」
加奈「まぁね。ってか、一番に
目がいくのは正直、顔じゃない?」
優「うん。初対面だとそうだよね」
加奈「ほら、優もじゃんか。
やっぱ、紗菜は変わってるんだよ」
紗菜「そうかな?」「「うん」」
紗菜「いや、二人して
口そろえなくても。苦笑」
優「でもさ、紗菜は、どうして
彼氏作らないの?」
加奈「そうだよね。紗菜、可愛いのにさ、はぁ…もったいない」
紗菜「二人とも大げさだよ💦」
と返していると、
「ホームルーム始めるぞー。」
先生がやってきた。
みんなが席につくと、
「おはよう。えー、今日は、転校生を
紹介する。入ってきなさい」
先生に促され、ドアが開く。
彼が入ってきた瞬間、
「カッコいい~」と
女子たちが口々にもらす。
転校生は、黒髪で、顔立ちが
はっきりした男の子だった。
これは、加奈が言うイケメンの
部類なのかも。女の私よりも
キレイな顔をしている。
教室が騒然とするなか、
黒板に名前を書いた先生は、
「静かに!桐谷、自己紹介を頼む。」
と転校生に言った。
「..はい。大阪から来ました、
桐谷瞬[キリヤシュン]です。よろしく」
「仲良くしてやってな」という
先生の言葉に、「「「はーい」」」と
返す女子たち…。ハモってる(笑)
「じゃあ、席は…倉瀬のとなりな」
「えっ?」と聞き返すと、
「いろいろ教えてやってくれ。
校内の案内も頼むな」と先生。
「..はい」と言うと、たくさんの
熱い視線を受けながら桐谷くんが
隣に来て、「よろしくな」と一言。
「..よろしく」と返したところで、
ホームルームの終わりを告げる
チャイムが鳴った。
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