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待ってましたとばかりに、
女子たちが桐谷くんを囲む。
「桐谷くん、よろしく」
「分からないことあったら
あたしに聞いてね?」
優しい口調で口々に
声をかけている。
そのなかには加奈もいる。
紗菜「優は、いいの?」
優「うん。あたしには
ハルくんがいるし♪」
ハルくんというのは、
最近できた優の彼氏。
少し前までは前の彼との別れで
落ち込んでいたのに。
幸せそうな優の顔を見ていると、
「ありがとな。ほな、
今度聞かしてもらうわ」
桐谷くんの言葉に、
顔を赤くする女子たち。
これは騒がしくなるな⤵
と思っていると、
桐谷くんはスッと立って、
「悪いねんけど、校内、
案内してくれんかな?」
と言ってきた。
「あ、うん」私は、女の子たちの
冷たい視線を背中に感じながら、
桐谷くんと教室を出た。
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