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その百合子のようすを見ていた女性校医の奥田が声を掛けた。 「大丈夫。だいぶうなされていたけど、何かあの時の事件の夢でも見た?」 事件。奥田にそう訊かれても。一体全体何の事なんだか百合子には見当がつかない。 「先生、私どうして保健に?」 「月丘さん。あなたは熱中症で倒れたのよ。後、もしかして十分眠れて無いでしょう?」 「いいえ。眠れています」 奥田の問に百合子は嘘の返答をした。
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