9/24
前へ
/173ページ
次へ
そんなようすを離れた校舎から見ていたのは夏樹だった。 「遅刻か……」 そう呟き。 左手は、ギターコードを追っているが。  ダメだ!出来やしない ……俺達、RAINもここまでか……? 夏樹は自分に腹を立てて頭を悩ましていた。 百合子と洋子はまた走り出していた。 急いで上履きへ履き替えて、 廊下を駆け抜け、階段を登った。 二人の教室は、二階の2年A組。 一時間目は数字だ。 いつも担当教師は10分遅れて来る。 もしかしたら……間に合うかも……急がなきゃ!! また、腕時計を微かに見る。 洋子は必死に百合子の後を追っかけているが。 諦めたくなってきたのか百合子へ、 「もう、いいじぁん。間に合わなくても……」 そう弱音を言っていた。 そんな洋子に対して、 「ダメだよ!諦めちゃ!」 百合子は励ますようにに言った。 百合子の視界に、教室のドアが見えた。 あと、もう少し!!
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

705人が本棚に入れています
本棚に追加