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ダイキ
『コヨリ…コヨリ…』
俺は、何度かコヨリの名前を呼んだ。
コヨリ
『ダイ…キ…』
ダイキ
『良かった、目が醒めたんだね、さぁ、ここを出よう。』
コヨリ
『ん……、タクマと、ユウヤは?あの後、なにが…。』
ダイキ
『怖い思いをさせて、ごめんね。タクマと、ユウヤは、……。』
コヨリの両隣りに、タクマとユウヤがいた。
二人とも、大量の血を流していた。
いわゆる、致命傷だ。
コヨリ
『そんな………』
ダイキ
『ごめん、でも、ここにいると、奴が今度こそ俺たちを殺しに来る。さぁ、行こう。』
コヨリ
『……そんな』
コヨリは二人の死体を見ながら、唇を震わせた。
無理も無い。
仲良しだった人間が、目の前で死んでいるのだから。
俺はそっと、後ろから彼女を抱きしめた。
震えの止まらない唇を、そっと、重ねようとした。
コヨリ
『嫌ぁああああ!!!』
突然叫び声をあげ、俺を突き飛ばした。
コヨリ
『二人とも…、ダイキが殺した……』
ダイキ
『え?』
その言葉に、少し引いたぜ。
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