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「もう自分で歩けるから、ここでいいよ!」
本当はまだチョット、足に力が入らないけど、大の男がおんぶされてる、なんてみっともないし。
好きでもない男に、なんて尚更。
って言っても、大好きなナオにおんぶされてる、なんて、想像も付かないけど!
ぺしゃんこになっちゃうもんね。
「ん、ああ、そうか。みっともねぇからな。」
むっ。
おまえに言われたくない~~~!
俺は、あからさまに不機嫌な顔で間宮の背中から降りた。
「…で、何?聞きたい事って。」
「あ?ああ、うん…」
気まずそうにする間宮。
何だ?
この前みたいにストレートにくるかと思ったから、拍子抜け。
「なにさ、ハッキリ言いなよ。」
「あー…おまえってさ、そのー…もともと男が好きなわけ?」
ん?
なんだ?その質問。
「…どういう意味?」
「だからさ、ほら、俗に言うホモ…ってヤツ?」
せめてゲイと言え。
「好きになった人がたまたま同性だっただけだよ。」
「ふーん…」
???
何を聞きたいんだ、この人は。
「男同士で、なんて…」
……………
なるほど。
「つまり間宮は、同性愛に偏見をもってるわけだ。」
「いや、そーゆーワケじゃねぇけど…もしかしておまえが、平塚をそーゆー道に走らせたんじゃねぇかと思って。」
初めてだ。
人をこんなに憎く思ったのは。
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