1179人が本棚に入れています
本棚に追加
「間宮は可哀想な人だね。」
「は?」
心から、そう思う。
「ナオは、俺を好きになってくれた。男とか女とかじゃなく、俺という人間を好きになってくれた。人を好きになることに、理由がある?規則がある?間宮は、誰かを本気で好きになったこと、ないの?わからないの?」
間宮は黙って聞いていた。
「俺とナオが愛し合ってるのは、決して悪いことじゃない。間宮にとやかく言われる筋合いは、ないよ。」
珍しい。
俺がこんなに喋るなんて。
それだけ間宮に、腹を立てているという事。
「俺は、そうやって否定される事に慣れてるけど、もしナオにもそんな事言ったら、本気で許さないから。」
「ああ…わかった。悪かった。」
意外にも素直に謝る間宮。
そこで俺も冷静になる。
「…とりあえず、今日はありがとう。学校からかなり距離あるのに、おぶってくれて。」
「いや、大した事じゃない。」
そして間宮は、悪かったな、と再度謝って、帰って行った。
間宮はナオに、恋愛感情をもっているワケじゃなかった。
ただ、心配だったんだ。
ナオの親友だから…
あれ?
それじゃあ、賭けたモノって一体なんなんだろ?
俺はてっきり、ナオ争奪戦だとばかり思ってた。
明日、間宮に聞いてみるか…
最初のコメントを投稿しよう!