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「ありえねえ…」
後ろから声がする。
振り返るとそこには、怒りの表情で立ち尽くすナオの姿があった。
「ナオ!聞いてたの…?」
ギロリと音がしそうな程の勢いで睨みつける。
「おまえら二人して、なに勝手な事してんだよ。オレを賭けの材料にしてやがったのか…?」
怒りに震える声。
ヤバイ。
ナオの怒りは、静から動へと切り替わる。
まもなく激しくなる筈。
たぶんそれは、親友である間宮も分かるだろう。
「平塚、怒るなって。おまえ、怒ると人の話聞かなくなるから。」
うん、確かに。
「怒らずにいられるかよ!オレの知らない所でオレをネタにして…ふざけんな!」
「あっ、ちょっ、ナオ…!」
行っちゃった。
んも~…
間宮の、ナオを守りたいってゆー親心も知らないで…
ま、俺も悪いよね。
心配だけかけて、何も言わなかったんだから…
追い掛けよう。
またトイレかな。
「待て、羽村。おれが行く。」
え?!
で、でも…
「おれが行って、ちゃんと話す。おまえと平塚が付き合い始めてから、おれ、ちゃんと話出来てなかったから。」
「わ、わかった…」
間宮は走って行った。
俺は、悩んだ末、あとを追うことにした。
だって、心配じゃん?!
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