1179人が本棚に入れています
本棚に追加
「だったらおまえ、その時に言ってくれりゃよかったんだよ…」
ナオが弱々しく呟く。
「言えねぇよ。おまえ、幸せそうに見えたし、傷付けるのはイヤだったから。だけど、もし羽村に騙されてるんだとしたら、もっと傷付く事になる。そんなの、もっとイヤだから。」
間宮は、ナオの親友。
本当の意味で、心友だな。
俺には、そう呼べる人がいないから、羨ましい。
「オレ、騙されてるのか…?」
えっ?!
ちょっとちょっと!
何でそうなる?
ナオってば、間宮の言葉を信じようとしてる~?!
恐るべし、親友!!
「ははっ、安心しろ。昨日、羽村と話したけど、アイツはそんなヤツじゃない。」
ナイスフォロー、間宮!
「羽村はちゃんと、おまえを好きだよ。おまえ、おれより羽村を信じてやれよ!」
そうだよ~!
あ~焦った~!
間宮、さんきゅー♪
「う、うん。」
申し訳なさそうに返事をしたあとナオは個室から出てきた。
そして間宮は、ふぅ、と1つ溜め息を吐いた後、こう言った。
「さて。そこで聞き耳立ててるヤツも、こっち来たら?」
げっ?!
ば、ばれてたの…?
間宮、侮れないヤツ…
最初のコメントを投稿しよう!