1179人が本棚に入れています
本棚に追加
天は俺を見放さなかった。
俺の家は共働き。
父と母、二人で会社を共同経営していて、いつも帰りは遅い。
そのおかげで俺は料理が上手い。
来週、一週間ほど両親は出張で、家にいない。
きた。
きたキタ。
きたキタ来た~~~っ!!
大チャンス到来!
こりゃあモノにしなければ、男が廃る!
幸い両親は放任主義。
俺も優等生。
この前のテストは散々だったけど挽回すべく毎日勉強。
その姿も見てるから、俺一人でも大丈夫、と信用されてる。
ふっふっふ。
誘うぞ~!
俺の手料理、ってのをネタにすれば、食いしん坊のナオは、必ず食い付いてくる!
あ~神様ありがとう☆
このチャンス、絶対逃さない!
俺は、神に礼をして、早速ナオに電話した。
「あ、ナオ?来週の土日、暇?」
『ん?ああ、暇だけど。』
よし!
「じゃあさ、ウチに泊まりに来ない?!両親いないし…この間、泊めてくれたお礼に、料理をご馳走したいなぁと思ってさ!俺の手料理☆どう?!」
『え…う~ん…』
あら?
絶対、すぐ食い付いてくるかと思ったのに…
「だ、だめ?」
恐る恐る問う俺。
『いや…うん…わかった。』
や…
やったあぁぁっ!!
俺は興奮気味にナオにバイバイして、電話を切った。
俺は、この時のナオの微妙な変化に、気付いてやれなかった…
最初のコメントを投稿しよう!