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「おい、聞いてんのか?トオル」
「はっ!」
あ、そっか。
勉強会なんだっけ。
ナオの部屋のテーブルに広げられた教科書やノートを見て、我に返る。
「まったく…おまえ、たまにボケーッとしてるよな。」
「ごめんごめん!で、何だっけ」
呆れ返った表情のナオ。
ごめんってば~!
「もーいいよ。マコトに教えてもらったから!」
がぁーん…
頭の中で、重たい石が落ちたような音が響く。
ナオってば、冷たい…
「じゃあさ、この問題は…」
うぅ…
俺に構わず話を進めてる…
も~早く夜にならないかなあ!
そうすれば、愛を深められる☆
間宮さえいなけりゃ、今、この場で…
ふふっ、その時になったら、ナオってば真っ赤な顔して反抗するんだろうな!
でも、俺が気持ち良くしてあげる事で、だんだん力が入らなくなってきて…
この時の俺、ちょっと半笑い気味だったらしい。
「ト、トオル…気持ち悪ぃ…」
「元からだろ…」
妄想の世界に入り込んでた俺に、2人の言葉は届かず、間宮の失礼な一言も、後から知ったのだった。
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