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貧相な食事を済ませ、一服する。
リンゴは結局そのまま食べずに食卓に置いた。
「ぐぉ…ぐぉおぉぉ…っ…ふしゅー…。」
どうやら妻はそのまま寝入ってしまったようだ。
「やれやれ…食べては寝て…寝ては食べて。やりたいように生きてるおまえは勝ち組だよ…。
はぁ…。」
妻に毛布をかける。
この妻ときたら…好きな時に寝て、食べて、暇があったら近所の奥方達と井戸端会議をしては遊んで…
週末にはどぎつい化粧に、鼻が曲がりそうな強烈な臭いの香水を付けては会食に出かける。
態度もデカけりゃ身体もデカい。体重なんて、ゆうに自分を超えるだろう。
自分はいったいこの妻のどこに惹かれて結婚したのだろうか…。
「はぁ…今日も疲れた。
明日は大事な外商もあるし…もう寝よう…。」
寝室に入り、ネクタイを外し、ベッドにばったりと倒れる。
「またいつもの一日が始まる…か…。」
自分はいつしかそのまま眠りについていた…。
……食卓の中央にはポツリと『真っ赤なリンゴ』が…ただ静かに座っていた………
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