第1話 スケーティングアワー

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「凄い・・あんなに高く跳ぶなんて!」 低空飛行をしてるとはいえ、 バードシリーズのBDと 直列に列ぶくらいだ。 それを見て私は 昨晩の少年を思い出した。 太陽の逆光線を浴びた三機のBDが黒いシルエットを被せて重なる。 と、次の瞬間・・ バードシリーズは二手に分かれて大きな爆発音と共に空中分解した。 残った白銀の機体はボードの上で両手を拡げ、バランスをとりながら高原に着地。 何故かそれに合わせて私の視線も下がって行く・・ 「いやぁぁぁぁぁッ!!」 すっかり忘れていた。 この先が階段だった事を・・ 死ぬ・・いや、 リアルで死ぬ訳ではない。 だけど死ぬ瞬間を垣間見る訳だ。 恐い・・恐いに決まってる。 「えっ?」 落ち行く私の背後に何かが迫っていた。 「・・て・・?」 BDのアームが まるで虫を捕まえるかのようにして私を掬い上げたのだ。
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