第1話 スケーティングアワー

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広大な台地を物凄いスピードで滑走していくBD。 機体を斜めに倒し大きく円を描くようにしてターン。 後はバグリア目掛けて一気に加速。 「コアから光りがっ!」 「大丈夫」 機体を屈めテールを強く踏んでジャンプする間際、さらにボードは加速する。 「グギィヤッ!?」 もう凄いとしか言いようがない。 BDでフリップを決めたのだ。 回転の掛かったボードはジェットの勢いで機体から離れ、バグリア目掛けて一直線に吹き飛んで行く。 コアから放たれる光線よりも速くボードが貫きバグリアは消滅した。 「凄い凄い! BDでフリップ決めるなんて凄い!」 「ボードと一緒に着地してないから・・トリックは決まってない」 「それでも凄いよ!」 胸が高鳴るこの感覚・・ 私は今 物凄く興奮している。 操縦桿を握る手の甲には彼の温もりを感じ、彼は私の手を握りBDを操作している。 二人で一緒にこの機体を踊らせているような・・そんな感じ。 彼が決めたトリックも、あたかも自分が決めたかのように感じる。 念願のBD操縦に好きな人と一緒に搭乗出来るなんて・・ もう顔が緩みっぱなしだ。 このまま勢いでキスでもしちゃいたい。 なーんて変な妄想を思い浮かべてしまうほど私はのぼせ上がっていた。
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