第1話 スケーティングアワー

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青い空・・赤茶けた台地にピンクの機体。 「凄い凄い!」 彼がトリックを決める度に私はそう言って心を踊らせていた。 「きみ面白いね?」 「え、なにが?」 「トリック決めると凄く喜ぶから」 こんなに楽しい時間は久しぶり。 だから永遠にこの時間が止まってしまえばいいのに。 だけど景色が流れる度に時も進む。 この興奮もいずれは冷める。 (嫌だな、そんなの・・) 今が凄く楽しい。 明日もこんな気持ちになれるだろうか。 無理だろうな・・ 涙色の空を見詰めると少し心が切なくなった。
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