第1話 スケーティングアワー

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私は家に帰り着き ごろ寝をしていると 突如 セルフォンが鳴り響く。 何かと思い飛び起きると、 それは毎晩12時に ログアウトを促す 警告音だった。 画面には・・ “ログイン三日目です” と表示されている。 「今日あたりに一度リアに戻っておくか」 私はログアウトをする為に、 家の戸締まりをした後 現在 私の居る場所の 座標番号をセルフォンで調べた。 座標番号を調べておくと、 再度ログインした時に 以前ログアウトした場所から プレイする事が出来る。 ちなみに調べていなくても 各所に設けられた 離脱施設の内 以前ログアウトした場所から 一番近い離脱施設から ゲームをプレイする事が出来る。 しかし 私が住む このアパートからだと 一番近い離脱施設が 5キロも離れている為 座標番号を調べておかないと 大変な事になってしまう。 「あーあ、帰ったらお母さんにどやされるだろうなぁ・・」 三日もゲームの世界に居たのだ。 以前にそれが原因で 怒られた事が幾度かある。 帰る事に気が重くなりながらも 私は『692』とセルフォンに入力した。 後は通話ボタンを 押すとリアルに戻れる。 「はぁ・・仕方ないか」 溜め息を交えて 私は静かに 通話ボタンを押した。
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