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昔話に花を咲かせて
私達は店先の石段へと
腰を降ろした。
｢・・それで桜は今なにやってんの？｣
久しぶりに友達に逢うと
決まってそう聞かれる。
｢バーチャルアルバイター！｣
セルフォンを｢ぐっ｣と
前に押し出し私は言った。
バーチャル世界で稼いだお金はそのままリアルでも電子マネーを通して使える事から、今やこのご時世 私みたいな『バーチャルアルバイター』は沢山いる。
ちなみに電子ＡＴＭから
現金としても
引き下ろせるのだ。
しかし手数料に
315円も掛かるのが難点。
｢桜も現代社会病の一人かよ｣
｢ちゃんとこれで生計が成り立つんですぅ～！｣
現代社会病と言われているが、世界政府もこのゲームに加担しているから驚きだ。
今やバーチャル世界は、
“人類第二の地球”
とも言われている。
そんな世界でも
やはり犯罪は付き物・・
バーチャル世界で
セルフォンを奪い取り、
入金されている電子マネーや
データを盗み取る輩が
後を絶えない。
それを見兼ねた世界政府が、
バーチャル世界に拠点を構え
そういった犯罪を
取り締まっているのだ。
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