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しばらく悩んだ後、フォードは口を開く。
「私の生まれた村がね・・・今みたいに燃やされたの。私以外は皆死んだわ・・・。村を焼き払った奴が許せなかった。だから殺し屋になって復讐をしようと思ったの」
そう言うと苦笑する。
「結局、復讐なんて出来なかったけどね」
キシャを殺して心に残ったのは、深い罪悪感。
復讐なんて、するもんじゃない。
フォードはそう思う。
「辛かったですか?」
「辛かったわ。でもね、私を支えてくれる人がたくさんいて、辛かったのと同時に幸せだった」
フォードはギュッとリゼルの手を強く握り直し石像の前で立ち止まる。
女性の顔を彫った立派な石像。
フォードは女性の両目の部分に指を突き刺した。
中で"ゴト"っと音がしたかと思うと石像が右に動き、後から隠し通路が出て来た。
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