クーデター

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「おはよう。リゼル!寝ていたところ悪いわね」 フォードはそう言うと拳銃に弾を装填し始める。 「い、いえ・・・外が騒がしかったので・・・母上その格好は?」 戸惑うリゼルにニコリと笑いクローゼットから動きやすい服を選んで渡す。 「クーデターが起きたの。ここから脱出するわ・・・それに着替えなさい」 「クーデター!?何故です!?」 「復讐・・・じゃない?十七年前の」 フォードはどこか遠い目で呟く。 「とにかく着替えなさい」 「は、はい」 リゼルは頷くとすばやく着替える。 着替えるとずっとカーテンの隙間から街を見ていたフォードの元を近づき街を見た。 フォードの遺伝子を受け継いだ黒い髪が紅く照らされる。 「・・・っ!?街が・・・」 「酷いわよね・・・どうして無関係な民まで・・・」 フォードは昔の事を思い出して唇を噛み締める。
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