春雷

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こんな夜中に誰だろう… 「はーい、どちらさんですか?」 ドアの前に立っていたのは、雨に濡れた光一だった。 「こ、光一…!?」 「……」 光一は黙っていた。 「とりあえず入りや…。風邪ひくで」 俺は光一を部屋に入れた。タオルを渡し、身体を拭くように言って、俺はコーヒーをいれる。 俺はコーヒーを飲まないけれど、いつか光一が家に来た時の為にと思い買っておいたのだ。 一生使わないと思っていたのに… ふと光一を見ると、上半身裸だった。思わず目をそらしてしまった。 いやいや、男の上半身を見て目をそらすなんて不自然だ。 そう思って光一に目をやると、文字通り火花が飛び散りそうな程、ばっちり光一と目が合った。 その瞬間お互いさっと目を伏せた。
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