越えていくバイオレットライン(前編)

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「じゃーん」 「えええ!高そう!だれからもろたやつなん?」 「森さん」 「それぜーったい高級やん!うわ、もったいなあ!なんで光一にやんねん!飲まんの知ってるやろうに!んははっ」 「たまにはいいでしょみたいな感じにもらったんですー。もったいないとか俺に失礼やろ!ええがいな!王子にワイン、ぴったりやろが!うひゃひゃひゃっ」 「それネタやん、完全に!あかん、ようわからんけどめっちゃおもろい!あはははっ!」 俺達はなんでもないようなことにも大笑いをした。 ただ楽しいだけだった。 「オープナーどこやったっけな?あーここや。あとグラス…。うわ、埃かぶっとる」 「このコップでええやん」 「それでいっかー。よいしょと。あんまコルク抜くの得意やない…上手くいくか…よっ!おぉ抜けた」 「はよつげー」 「お客様、ガラが悪うございます」 「敬語おかしいやろっ。んふふ」 「はいつげた。ではかんぱーい」 「かんぱあい。コップでワインとか色気なーい!ふふっ」 「お前がコップでええ言うんたんやんけ!あっうまい」 「ん、ほんまやあ。あんまりワイン好きくないけど、これはおいしい」 さすがいいワインというだけあって、本当においしくて、俺たちにしてはかなり早いペースで飲み進めた。 あっという間にそれぞれ最後の一杯になってしまった。  
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