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「もう最後ぉ?こういちのみすぎー」
「つよしもめっちゃ飲んでたし!あーなんかあっつい!」
お互い完全に酔って、呂律もうまく回っていない。
「こういち顔あかいもん。んふふっ。俺もあつーい」
「うひゃひゃひゃっ!つよしめっちゃ暑そう。ほっぺとか真っ赤…」
そう言って剛の赤い頬に指を触れた。
その途端、俺の指に甘い刺激が走った。
それと同時に火花が散りそうなほど剛と視線がぶつかった。
手を離さなきゃ。
頭ではわかっていても体が言うことを聞かない。
テレビの音が遠のき、部屋の空気が変わる。
お互いまったく動けない。
ふたりの時間が、止まる。
ふと、剛が目を伏せた。
その表情で俺の体温は二度くらい上がった気がする。
それが合図だったというように、俺はゆっくり剛の唇に自分のそれを近づけた。
そして、あまりにも自然に唇が重なる。
触れるだけ。それだけでも触れ合う唇が熱くて、くらくらと眩暈がした。
しかし、どちらが求めたわけでもないのに、だんだんと深くなる口づけ。
俺はどうしようもないほどに興奮してきて、何度も剛の唇を吸った。
「んっ…はぁ……ふ…っ」
剛の漏らす声が俺をぞくりとさせる。
もっと、もっと欲しい、剛。
もっと息を注いで。
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