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体に刻まれた傷 今日も、また一つ増えていく 自我を保つために大事な人を物を傷付けないために… 私は自分を傷付けます。 これで大丈夫… 大事な人も大事な物も傷付けなくてすむ。 その代償が私の体に刻まれた無数の傷… 我慢した証。 でもね? この傷には… どれだけの怒りと どれだけの悲しみと どれだけの憎しみが 込められてるかわかる? 己を保つためにした行為が己を苦しめているなんて気付きもしない。 『だって、これで誰にも迷惑かけないでしょ?』 独り善がりな想いを胸に、今日も私は傷付く。
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