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結局相合い傘で帰る事になった、
「………そう言えば」
歩いて数分後先に口を開いたのは朱音だった、
「……何だよ」
京一が聞き返すと朱音が思い出したように言った、
「二人で一緒に帰るの初めてだよね」
京一が納得したように、
「そう言えばたしかに初めてだな」
朱音は少し怒った、
「なに、そのどうでもいいような口調」
京一は本当にどうでもいいように、
「別にいまさら二人で帰るくらいどうもねぇだろ」
朱音が怒った口調で、
「な、年頃の男子と女子が相合い傘で帰ってるんだよ」「年頃ってお前たかが道が一緒で帰ってるだけだろうが」
京一も考えると少し照れてきた何かに気付いたのかのか朱音がにやけ顔で、
「ふーん、そうなんだ京一君は女の子には全く興味無いんだぁ」「普通、男に言うかそんな事」
京一が目をそらし言うと、
「京一君顔赤くなってるよ」
京一は慌てて横をむいたニヤニヤしながら朱音がからかう、
「京一も男の子してるんだねぇ」
「俺もう走って帰るぞ」
京一が恥ずかしさのあまり走って帰ろうとすると、
「ごめんごめん、私の家もう近いから傘入りなよ」
走り出そうとする京一を笑いながら朱音が引き止めた、
「……分かったよ」
京一が少し不本意そうにまた相合い傘に戻ったすると。
「じゃ、私の家ここだか
またね」
朱音は雨に濡れないように走って自宅のドアへと消えた、
京一は誰もいない道へと。「………またな」
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