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「貴方に我が家に来ていただきたいのです」
『は?』
男の答えを聞いて思わず聞き返す。
「ですから貴方に我が御堂本家に来ていただきたいのです」
その言葉を聞き、セイはこの男が誰なのかを察した。まじまじと男の顔を見る。
『ほぅ、お前、アイツの……。まぁ似てるっちゃ似てるかもしれんな』
ふむふむ、と頷きながらセイは納得する。
そして男に対して毅然と答える。
『断る』
セイの答えを聞いて男は片眉を上げる。
「何故?」
『ここには私の宿体がおるし、そもそもそんなにどす黒い負のオーラを纏った奴についていく馬鹿はいないだろう?』
そこまで言ってセイはふと達樹ならノコノコついていくかもな、とその姿を思い浮かべて吹き出し、肩を震わせて笑う。そんなセイの様子などお構いなしに男は口を開く。
「宿体のことなら心配はありません。我が御堂本家に新たな宿体をご用意しております故」
『新しい宿体?』
その言葉にセイはますます眉を顰める。
「はい、ですから宿体の心配は無用でございます」
男の言葉にセイはフンっ、と鼻を鳴らす。
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