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「ホント、ごめんっ! 僕、頑張ってバリバリくん探してくるから」
「いや、いいよ。バリバリくんは俺がまた探して買ってくるから。つぅか、俺、セイに悪いことしちゃったな~……」
勝手に犯人をセイに仕立て上げ、セイの言い分も聞かずに散々怒鳴り散らした自分に達樹はひどく自己嫌悪に陥っていた。
そんな達樹の様子を捺樹は申し訳なさそうに見つめる。
「僕も一緒に晴明様に謝るよ……」
達樹の肩にポンと手を置き捺樹が言う。
「そうしてくれると助かる。俺一人じゃまた喧嘩しちまいそうだし」
情けない目をして達樹は捺樹の顔を見上げる。
その時視界の端に綺麗な蝶の姿を捉える。
その蝶はヒラヒラと達樹の方に飛んできてちょこんと肩にとまる。
「何だ……?」
「綺麗な蝶だね~」
捺樹が蝶に触ろうとした瞬間、蝶の姿がボンッと破裂してその後に手紙がヒラヒラと床に落ちて行く。
突然の蝶の破裂に達樹は驚き硬直する。
床に落ちた手紙を捺樹が拾い上げてその内容を読む。
と、途端に顔色が真っ青になる。
「捺樹? どうした?」
「これ……」
顔面蒼白のまま捺樹は手にしていた手紙を達樹に渡す。手紙を受け取り達樹はそれを読む。
「はぁっ!?」
手紙を読み終えた達樹は素っ頓狂な声を上げる。
その声に何事かとリビングに母親と四神将達がやってくる。
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