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ドタドタという荒い足音と共に達樹はリビングのドアを勢いよく開け放つと同時に大声で目当ての人物の名前を叫ぶ。
「セーーーーーイッッ!」
その達樹の叫び声にリビングにいた全員が目を丸くさせて達樹の方を見る。
『何だ、達樹』
大声で名前を叫ばれた当のセイはきょとんとした表情で手に持っていたポテトチップスを齧る。
「お前、俺のっ、俺のバリバリくんっ!」
『?』
「俺のバリバリくん、食べただろぉぉ~っっ!」
『は?』
セイの胸倉を掴まんばかりの勢いでまくしたてる達樹にセイは何が何だか分からない、という顔で達樹の顔を見る。達樹の目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
「は? じゃないっ!」
『達樹、何の話をしてるんだ?』
「惚けたって無駄だぞ! お前以外の誰が俺の大事にとっておいたバリバリくんを食べるって言うんだぁ~っ!」
達樹は涙目のままセイの胸倉を掴んでガクガクと前後に揺さぶる。
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