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「本当にやるのか?」
どこかの丘。
一人の和服を着た、長い白髪の美女が少女に問いかける。
問いかけられた巫女の少女は頷いて、
「大丈夫、ちゃんと流歌さんには許可取ってあるから」
「そういう問題じゃなかろう。失敗したらお主が……」
「私は大丈夫だから。それに、彼がいない分には世界は救えない」
「我はそれが分からぬ。この世から離脱した人間など、復活させたところではたして役に立つのか?」
「立つよ。あなたを武器として陥らせたんだもの」
「っく」
痛いところを疲れたのか、白髪は言葉を詰まらせ、
「まあよい、お主がやることだ」
「うん」
巫女は頷くと、目の前にポツリと立つお墓に微笑んで、
「じゃあ、始めるよ」
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