2.静かに花火をした

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 新しい花火を袋から取り出す。蝋燭から火をもらうと、新しい光がふたりの顔を照らした。 「花火も・・・夏も」  蝋燭の炎がゆらゆらと揺れる。花火の光を見つめながら、奏子は呟く。  悠は、花火の光に照らされた奏子の顔を見ながら、微笑む。 「嘘つきだよね――・・・悠は」  りりん―――  風鈴の音が大きく響き、夜の空気に溶けた。 1年前、ふたりで雑貨屋に選びに行ったイルカの風鈴。  奏子の言葉に、悠の顔がこわばる。
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