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「来年も、再来年も」
「・・・・・・」
「一緒にいようねって、言ったのに・・・」
ほとり、と奏子の瞳から涙が零れ落ちる。それは砂利の上に落ち、ぽつり、ぽつりとその色を変える。
悠は、そっと手を伸ばした。奏子の肩に触れようとする。触れられない。
その手は空を切り、闇を掴む。
もう、何度繰り返しただろう。声も、届かない。触れられない。ただ、見ているだけしかできない。それでも、それでも・・・。
「・・・ごめんな」
心配で、どうしても、離れられずに。
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