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翌日の午後。
買い物から帰宅して玄関を開けた途端、異臭が鼻をついた。
臭いの根源はぎっしりと並んだ何足ものスニーカー。
友達が団体で遊びに来ているらしく、弟の部屋から歓声・嬌声・罵声・怒声が混ざり合った賑やかしい声が聞こえてくる。
プレステでもやってるんだろう。受験生のくせに暢気なやつらめ。
鼻をつまみながら靴を脱いでキッチンに行くと、ママが大量のスナック菓子を準備していた。
「あ、私が持っていくよ」
私は弟の部屋のドアを叩いた。
「あんまりうるさくしないでよ、近所迷惑だから」
ドアが閉まる直前、弟の肩越しにチラッと、まだ記憶に新しい背中を見たような気がして。
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