Are you free tonigt?

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「そ、そうですか。たいへん申し訳ありませんでした」  サンタクロースは本当に申し訳なさそうな顔で、ピザの箱ごと深々と頭を下げてから、 「あの、これ……ご迷惑をおかけしたお詫びに」  と、集金カバンらしきウエストポーチからお店のチラシと商品券を取り出して差し出した。 「よかったらどうぞ、いつでもご利用ください」 「あ、はい。どうも」  何かくれるというのに隙間から手だけ出して受け取るのは失礼かと思い、わたしはドアを開けた。商品券は二千円以上のピザが千円引きになるというクーポンだった。 「では、失礼いたします」 「あっ、ちょっと待ってピザ屋さん。たった今、やっと思い出したことが──」 「はい?」  わたしとしたことが、どうしてすぐに気がつかなかったんだろう。いや、気がつかなかったというか忘れていた。 「パークサイドハイツはAとBの二つあって、ここはA棟のほうです。そのピザの配達先は隣にあるB棟なのでは?」 「あ……」  サンタクロースは合点のいった顔で頷き、 「ありがとうございます! 助かりました!」  と、今度は満面の笑みで元気よく頭を下げた。  よし、これで問題は解決。わたしも何だか嬉しくて自然と笑顔になる。  今度ピザを注文してみようかな? クーポンもあるし♪ 「──僕もたった今、思い出したことがあります」 「えっ?」 「茉莉花先輩ですよね? 高校の吹奏楽部で一緒だった」 「って、あの……」
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