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「はい、これ。ゴミ袋の代わりに使って」
「あ、どうも」
首だけでお辞儀をした男の子は、
「その制服、N高校だっけ?」
と、馴れ馴れしい口調で聞いてきた。
私は丈の長いダッフルコートを着ていたけれど、襟元から学校指定のリボンが見えたらしい。
「そうだけど?」
「レベル高い?」
「国公立大学の合格率はいいよ」
「いや、そうじゃなくって女子のレベル。可愛い子とか多い?」
なんなんだ、こいつは…。
男の子は立ち上がると、携帯の残骸を包んだ包装紙を丸めて上着のポケットに入れた。
「これでいい?」
「よろしい」
「ところで、おねいさん」
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