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―次の日―
「おはよ、小橋君。昨日はごめんね」
教室で勇気と挨拶を交わし、席に着く。
勇気からも挨拶が返ってくる。
「ねぇ、今日って何かあるの?部活動の人達、何だか忙しそうだった…」
教室へ来るまでに、バタバタと荷物を持って走りまわっているイニフォーム姿の人達の姿を見かけた。
「あぁ、今日は新入生の部活を決める日なんだ。1日体験って感じで、体験ができるんだ。だから、今日は授業はなし」
部活動を決める際に体験や仮入部はあるだろう。
だが、丸々1日使うというのは珍しい。
「へぇ。変わっているわね。1日丸々使うなんて」
「たぶんここくらいじゃないかな?」
だろうな。
教室の黒板にデカデカと書かれてある、『部活動体験!!』と時間を見て乾いた笑いが出た。
時間が8:00~18:00になっている。
「な、何か豪快なとこだなぁ。ま、いいか。じゃあ行ってこようかな」
いつもの授業時間よりも早く時間が設定されていて、もうすでに体験時間は開始されていた。
勇気と別れて、いくつかの部活を見て回る。
次はバレー部だ。
バレー部と言えば体育館。
体育館へ足を踏み入れると、そこにいた1年生は2人。
1人は見知った相手、勇気。
そういえば、勇気はバレー部希望だと話した覚えがあった。
もう1人は女子で、見たことのある顔だった。
だが、名前は思い浮かばない。
当たり前だ。
まだ勇気以外のクラスメイトの名前を覚えていない。
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