はじまり

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中学に入学して10日ほど経った時、転校が決まった。 親の事情により、本来通うはずだった所からの転校。 彼女が次に通うことになった学校。 そこにも彼女の噂が流れたようだが、真に受けた者は少なかった。 転校初日。 職員室で教師と挨拶を交わし、HRの始まる少し前に職員室を出た。 これから自分のクラスとなる教室へ担任と向う。 目の前を歩くスーツ姿の担任の背がある。 その背は同じ作りの教室をいくつか通り過ぎ、ある場所で足を止める。 その動きに合わせて彼女も足を止めた。 「お、やった!女子だぜ~」 教室へと足を踏み入れると、ざわついた教室で真っ先にあがった声はそんな男子の声。 視線が彼女に集中している。 「男ってそればっかりなんだから!」 女子の非難の声が飛び交う。 だが、そこに険悪という雰囲気は感じられない。 からかい合っているという感じ。 男女間の仲は良いようで、しばらくすると男女関係なく話しを始めていた。
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