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男子が好感を持ったように、彼女の容姿は良い。
身長162cm。体重48k。
髪が長く、容姿端麗ともてはやされるタイプだ。
「新呈。俺は担任の木内 久希-キナイ ヒサキ-だ。よろしくな」
担任が自己紹介。
爽やかな笑顔。
手を差し出されたら握手してしまいそうな勢いだ。
担任はみんなに向き直り、
「あぁ、そうそう。お前ら!この子に名前を覚えてほしけりゃ、自分で吹き込みにいけよ~。この場で自己紹介~なんてことはしないからな」
面倒だから、と担任が言い放った言葉に男子の目の色が変わる。
狼のごとく、キラリと光っているように思えた。
この時、絆はまだこの学校のことを知らなすぎたのだ。
こんな怪しい学校だったとは、と後で後悔に近いものを感じたことを覚えている。
「よし!じゃあ・・・、そうだな。小橋-コハシ-!ちょっと立て!」
担任は教室を見回し、1人の男子の名呼んで立たせた。
立ち上がったのは少し背が低く、でもどこか印象に残る顔の男の子。
といっても、顔が悪いという意味ではない。
いや、むしろ可愛い。
その表現がピッタリくるような子だった。
「こいつの隣の席な。いいか?」
決定しておいて、聞くのは卑怯だ。
ここで嫌だと言える生徒がいるだろうか。
何よりも、何も知らない今の状況で何を根拠に選べというのか。
そんな考えは伏せ、ニッコリと微笑んで、
「問題ありません」
今、担任に悪い印象を与えるのはよくない。
素直に肯定しておく。
「そうか。なら、小橋の隣に座ってくれ」
促され、小橋と呼ばれた男子の隣、空いていた席に荷物をおいて座る。
移動している間、視線がずっと追って来るので居心地はとても悪い。
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