208人が本棚に入れています
本棚に追加
ラジウスの顔に、凄まじい嫌悪感が表れる。
長剣に手を伸ばす彼の動きを、澪音は見逃さなかった。
「―――『ただの長剣』でも戦えるのか。素晴らしい…」
長剣を振りかざすラジウス。
そのひと振りと共に、爆風が地を舞い澪音に襲いかかる。
次の瞬間、
なんの前触れもなく、ラジウスの体を赤い光が貫いた。
「…っ!?」
目を見開くラジウス。
同時に、放たれた爆風を切り裂くように、無数の赤い光がラジウスに降り注ぎ、貫く。
「…称賛に値する。だが、今や君はただの剣士だ。
生かしておく理由も、価値も、必要もない。」
「ラジウス!!!」
走り出す美雪。
「…叩き潰しなさい。」
間髪入れずに響き渡る、フェレナの呟き。
「―――っ!?」
硬直する美雪に覆い被さる、巨大な立方体。
辺り一面に、衝撃波が広がった。
最初のコメントを投稿しよう!