月夜の過去

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あの時は、大変だった。 さすがに、やり過ぎだとは思った。 「…なぁ、なんであの時、ここを壊したんだ?」 普段の月夜は、計算高い性格だった。 自分に何かしらの利益がないことに関しては、見向きもしなかった。 少なくとも、椎弥の知っている月夜はそうだった。 その月夜に何が…? ここを破壊したからといって、月夜が得をするとは思えなかった。 しかし、椎弥の疑問は、疑問のまま流れる。 「…なんとなく、ね…」 月夜は目を反らすと、それ以上、話さなかった。 ま、そうだろうな。 こんなところで話せるくらいなら、とっくの昔に聞いていたはずだから。
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