桜の下の雑草

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暖かく、ほんわりとした季節の春。 そんな季節だが、まだ朝は肌寒い。 ある川の橋の下、ダンボールやビニールシートで固めた家が建っていた。 ---… --… -… 「うぃ~よく寝たぁ~…」 むくりと上半身を上げ、大きな欠伸をする。 「ふぁー…。さて、朝食の調達にでも行くか」 欠伸をした後、私はマイホームを出た。 そして、朝食への準備に取りかかった。 「……………」 ザァー…っと綺麗な水音を立てる川。 その川の中に私は目を閉じ、立っていた。 深さは私の膝くらいしかない。その中で私は耳を研ぎ澄ました。 数秒、水が跳ねた。 その刹那、私の体は動いた。 「そこかっ!!」 ザバァンッ!!と水しぶきを立て、魚が川の外へとはじき飛んだ。 朝食の調達。これが私の朝のスタートなのだ。
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