ワンセグ機能が、スタートだった。

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決断力?自主的に? この言葉を聞いた後、僕はなぜか拳を握り、床に叩き付けていた。 何も言い返す事ができない自分が、何よりも惨めだった。 一先ず、自分の部屋に戻る事にした。 野球雑誌ばかり積まれた、学習机 野球漫画ばかり入っている、本棚 そして、壁に貼ってある野球選手の色紙。 何度見てもこれだけは、色褪せる事はない。 ふと、注意は携帯へ向いた。 緑色のランプが点灯している。 メールのようだ。 早速、チェックした。 件数は、今までに一度に来たメール件数を遥かに越す25件。 とりあえず、受信ボックスの一番上のメールから見る事にした。 すると、 「プロおめでとう!((((*^o^*)頑張ってねp(*^-^*)q 」 プロについての話だ。 次もその次も…プロ関連のメールだった。 まだ、自分がはっきりしてないのにみんなからあっさり言われたのが嫌だった。 プロ野球選手、野球少年が必ず憧れる職業。 そして、今そのチャンスを手にしようとしている。 チャンスまでの距離は、短い。 しかし、手に入れるまでの距離は、果てしなく長い。 実際、チケットすら掴む事ができていない。 でも、やってみたい。 上手く言葉にできない。 それがまた惨めだった。
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