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テレビの中では「ゴ~ン」と除夜の鐘が鳴り響いている。
それに合わせるように近所にある大王寺からも鐘の音が聞こえて来た。
「今年も終わりですね~。」
体が小さいので蕎麦の器を抱えるようにして食べている真燐がしみじみと言う
「早かったらね~今年も終わって私はどんどんおばあちゃんになって行くんらぁ…」
いつものように熱燗でいい感じになっている千代さんがポツリと呟く…
「ねぇ!お兄ちゃん。これ食べたら初詣に行こうよ。」
普段は十一時前には必ず寝てしまうのに今日は眠そうな顔も見せずにやたらと元気な小夜子が提案した。
「そうだなぁ…じゃあみんなで行ってみるか。」
俺はボリュームが足りないからと一人だけ蕎麦に入れたデカい餅を囓りながら答えた。
もう年の瀬…月日の過ぎるのは早いものだ。
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