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奇妙な夢だった。
突如現れた沢山の白鼠。彼らは部屋を走り回り俺を甘噛みするやつもいた…
(む…?)目が覚める。今のは何だったのだろうか?
時刻は朝の八時。寝たのが一時くらいだからまだ少し眠かった。
横で寝ている小夜子と真燐を起こさないようにトイレに行くと千代さんが台所でおせち料理や雑煮を用意していた。
「おはようございます…早いんですね。」
「あら、おはよう。明けましておめでとうございます。今年もよろしくね。 朝ご飯はまだ出来ないから寝てて良いわよ、後で起こしに行くし。」と言った千代さんのパジャマは例によって前のボタンが全開だ。
「…明けましておめでとうございます…本年もよろしくお願いします。…出来るまで居間で待ちますね。」
俺は千代さんの服の間から零れる初日の出のように有り難い二つの神秘的な御来光をガン見したい欲求に捕らわれながらも正月だし朝から煩悩に捕らわれるのも人として…と思うので強固な意志の力で誘惑を拒絶する。
千代さんのパジャマのボタンが開いている事を指摘しようかとも思ったが天然ボケの千代さんが指摘された事に驚きグラグラ煮えて来ている雑煮の鍋をひっくり返したりしたら大変なので何も言わずに居間のコタツに入りテレビを付けた。
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