たつやくん。

30歳のバースディ

会議1分前。

間宮を始め、チームのメンバーが続々と入室する。

私はみんなに気付かれないように小さく溜め息をついた。

全員が揃ったのは10時を15分も過ぎている時だった。

｢はい、皆さん、今は何時かな？｣

私の一番近くに座っていた小野がビクビクと時計を見ている。

｢時間厳守！何度言ったらわかるの？ここは学校じゃない会社！最低限のルールも守れないならチームから外れてもらいます｣

あぁ……また言っちゃった。

間違ったことなんて一言も言ってないよ。

だけどさぁ、みんなの顔、すごいよ。

ひきつったり、俯いたり様々だけど、一応上司と言う立場だから、これも言わなくちゃいけない大切なこと。

私は自己嫌悪に陥りながらも、チクチクと嫌味混じりに会議を進めて行った。