あなたへ

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好きって気持ちを伝えるのは すごく難しい。 初めてそれを知ったのは 結構前だったはずだ。 その頃の自分は多分がむしゃらで…… とにかく好きだと言ってしまえば 後は何とかなると思っていた、と思う。 所詮、経験浅き高校生の考えることだ。 良く言えば純粋、悪く言えば単純。 ましてや若き日の自分の思考など、 とてもわかりやすいものだっただろう。 顔から火が出そうな 恥ずかしいことだって、 昔は平気で思いつけた。 それは例えば、 展開がベタで 常に王道を駆け抜ける 少女マンガのような。 食パンをくわえて走れば曲がり角で 恋の始まりが待っているだなんて、 一体どこの誰が考え始めたのだろうか。
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