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第四章 【奇跡】
昼間こそ、面倒見のいい、若くヤリ手のビジネスマン。
実態は、欲望のまま女を犯す強姦魔。
いつの間にか、目が、目の光が狂っていた。
車が好きだった。
たかが国産のスポーツカーに数百万円かけて、乗り回していた。
周辺のショップの店長とは、仲が良かった。
あの日、ショップに顔を出すと・・・。
すぐにわかった。
後ろ姿なのに。
長い髪。背が低い。
・・・私のアイドル。
彼女は、新車を購入し、アルミホイールを選びに来ていた。
真っ赤なインポート車。
店長から、カタログを山のように借り、喫茶店で二時間。
あぁでもない、こぉでもない。
やっと決まった真っ白なアルミホイール。
鬼畜は、顔を出さない。
メルアドを交換し、笑顔で再会を約束する自分が、無性に可笑しかった。
出逢いから、10年が過ぎていた。
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