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「く、くく……」
闇の力が周囲に広がっていく。
片腕を失い、体中に槍を刺されながらも……ヴェルドは笑っていた。
「ヴェルド、早くその剣を返せ!お前は闇に呑まれているだけ、今ならまだ間に合うはずだ」
「ヴェ、ルド?ふふ…そんな人間は最初から存在しない。私はこの剣を奪う、ために」
予想外だった。
魔法の剣を守るため組織された『聖なる盾』に、悪魔が潜り込んでいたなんて。
魔法の剣は禁忌の剣。
正しき者が手にすれば素晴らしい剣だが、それを悪しき者が手にしてしまえば……。
「…っ…私は今でもお前を友だと信じている。友として……必ずお前を止めてみせるぞ!」
炎上する城。
皆は避難、出来ただろうか。
剣を握る手に力を込め、私は走り出す。
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