第二話 消えてゆく温もり

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「――なあ、祐一。何が不安なんだよ」  ずっと気になってたんだ、とでもいうように、遼が首を傾げている。 「不安で眠れないんだろ?」  同意を求めるように訊いたその言葉が怖い。僕が遼との別れを怖れているのだと、知られたくない。見抜かれたくない。自分の顔が強張っているのが分かった。 「言いたくないのか? 無理に言わなくてもいいけど……――話してくれないのか?」  僕のことを気遣う気持ちは分かる。しかし、それでさえ信じられない自分がいた。俯き、頭を振る。 「そうか……」  失望した、溜め息混じりの声。俺は必要ないんだな、と突き離されそうになる。――突き離しているのは、どっちだろう? 「分かったよ」  違う、と叫びたかった。けれど、声が出ない。 「――あ、あ……」  呼吸が出来ない。意識が朦朧としてきた。倒れる―― 「た、す……け」  はっと遼が振り返る。僕は、その腕の中で深い闇に堕ちた。
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