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僕は暖かさが欲しくて、ダブルベッドで寝ている遼の横に潜り込んだ。ふと、遼が僕を呼ぶ。
「祐、一?」
起こしてしまっただろうか。なんだか気まずくなった。
「――起こしちゃった、かな」
遼の機嫌を損ねるのではないかと、急に不安になる。
「いや、起きてた。なんだ?」
傍にいたいと望むのは、罪――?
「最近、眠れないんだ……」
悪夢と恐怖が蘇る。今にも遼が別れを告げて来そうで、怖い。失いそうで、不安になる。僕は震えていた。
「祐一?」
心配そうに、遼が髪を撫でてくれる。その優しさが辛い。
「ねえ、ちょっとでいいから横で寝かせて?」
いいよ、と答えた遼の声は、どこかぎこちなく硬かった。
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