一日職業体験

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選考方法はいたって簡単 全員が教師の前で、敵に模した人形を切る その剣の扱い方、構え、威力などを試すのだ アルゴルの前でどんどん人形が切られていく まだ拙い部分もあるが、それぞれしっかりと人形の真ん中を切っている 芝生の床に人形の破片が積もっていくにしたがってアルゴルの顔には不安が満ちていく 「次、アルゴル!」 自分の名が呼ばれたころにはアルゴルの顔は絶望の色しかなかった はたからみればいつもと大して変わらないのだが、本人はいたって深刻に悩んでいた ふらふらと近くの練習用の剣を手に取り、人形へと歩いていく 今のアルゴルには背後からの友人たちの声援など耳にはいらなかった 「よし、やってみろ。」 まだまだ若いそれなりにきれいな顔の男性教師がアルゴルを促す アルゴルは手元の剣を今一度辛そうに見ると、目を閉じて深呼吸をした そして何かを決心するとアルゴルは目を開け、不安げな表情のまま剣の柄を握りなおした 高々と剣を振り上げる そして力いっぱい剣を人形に振り下ろした と思ったのもつかの間、勢いよく振り下ろした剣は空を切り、つきすぎた勢いにアルゴルはバランスを崩してふらついた後、そのまま人形に追突したのだった
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