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アルメリアはほうき片手にアルゴルの元へ歩み寄る
途中キッチンからでたガラス片を掃きながら部屋に入る
アルゴルは顔を強張らせながらも砕けた皿を片付けていた
「ちょっと。もう片付けはいいからお店のほうお願い。少しお客さん入ってきてるから。」
「えっ・・?あ、俺がやるってば。」
「いーから行く!!」
アルメリアに背中を押され、無理矢理キッチンから追い出されたアルゴル
アルメリアの言う通りちらほらと客の姿があった
アルゴルは少し不満げに口をとがらせるとまたぼーっとし始めた
正確にはぼーっとしているのではなく、何をしようか考えているのだがはたから見ればぼけっと突っ立っているようにしか見えない
しばらくそうしていたアルゴルが動き出したのは、客が注文をとってくれと呼びかけたときだった
「すいませーん、注文いいですか?」
「あ、はい。注文ですね、どうぞ。」
相手はストレートのロングヘアーの若い女性だった
一応学生なのだろうか、テーブルの上にはノートや参考書が開かれている
勉強に忙しいのだろう
視線は参考書に落ちたまま、アルゴルの顔は見ようともしなかった
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